糸の色合わせで使うヤーンラップの作り方

2015年12月23日
さまざまな糸で作ったヤーンラッピング
厚紙に糸を巻き付けて作るヤーンラップ

織り地や編み地のデザインをするとき、特に配色を考えるときには、手元にある糸で「ヤーンラップ」を作ります。大好きな作業なので、いったん始めると時間を忘れて巻き巻きしてしまいます。

ヤーンラップとは(yarn wrap ヤーンラッピングとも)ボール紙などの厚めの紙に色糸を巻きつけていき、色どうしの相性を見てみたり、プロポーションのバランスを見るためのもの。織りの経糸を張る前にヤーンラップを作ってみることで、結果的には時間や糸を節約してくれます。それでももちろん織りの場合には経糸と緯糸が交わることになるので、実際にサンプルを織ってみると「全然好きじゃない、これ!」ってこともしばしば。でもそれはそれでよしとします。たくさんサンプルを作ってみないと、いいデザインが見つからないと思うので。

毛糸を厚紙にまきつけたヤーンラッピング
いろんな色のヤーンラップ

基本の作り方は、厚紙の片面に両面テープを貼り、糸を巻きながら貼り付けていくというもの。ただ、糸に油がついていると(工業用の糸など)、糸がうまく両面テープの粘着面にくっついてくれません。そこで今回は私なりに考えた、粘着テープを使わないヤーンラップの作り方を紹介したいと思います(簡単すぎて、実は紹介するまでもないのかも…とも思いつつ)。

余談ですが手持ちの糸はそれぞれ一色ずつ、残糸などを割り箸に巻いてあります。色鉛筆を目の前に並べるように糸を並べ、あれこれとっかえひっかえ相性のいい色を探していきます。

色鉛筆のように並べた色糸
割り箸に巻いた糸を色鉛筆のように並べておくと便利
割り箸に巻いた毛糸
糸の端くれも捨てるのがもったいないので巻いておくと有効利用できる

それでは本題の作り方です。まず、厚紙を切って幅3~4cmの細長い短冊のようなものを作ります。

糸端を押さえながら、まずはひと巻き。ちょうど一周したところで、押さえている糸を押さえ込むようにして引き続き巻いていきます。

ヤーンラッピングの巻き始め
ヤーンラッピングの巻き始め
ヤーンラッピングの巻き始め
表側にくるっと半周巻いたところ
ヤーンラッピングの作り方 巻き始め
糸端を押さえ込むようにして巻き始める
ヤーンラッピングの作り方 巻き途中
糸端を巻き込みながら、ぐるぐる、ぐるぐる

糸を変えるときも最初と同じ要領で巻きます。

ヤーンラッピングの作り方 糸を換えるところ
糸を換えるときは両方の糸端をしっかり押さえる
ヤーンラッピングの作り方 糸を換えて巻く
新しい糸で一周ぐるっと巻いたところ
ヤーンラッピングの作り方 巻き進める
また、ぐるぐるぐるぐる
ヤーンラッピングの作り方 巻き終わり
そろそろこの辺りで…

最後は厚紙に2mmほどの切り込みを入れて、糸を挟んで出来上がり。

ヤーンラッピングの作り方 最後の糸端処理
糸を表側に持ってきて、はさみで切り込みを入れる
ヤーンラッピングの作り方 糸端の処理
糸を切り込みにはさみ込んで…
ヤーンラッピング 巻いた後の裏側
出来上がりの裏はこんな感じ
ヤーンラッピング出来上がり
表はすっきり

ポイントは、糸の巻き始めに親指で糸端を斜めに押さえ、その糸を固定するように糸を巻いていくこと。この方法なら両面テープを使わずにきれいに巻いていけます。一度にたくさん作って、経糸と緯糸のいろんな組み合わせを試してみるのもいいですね。思いがけない素敵なデザインが見つかるかもしれません。

以上、織り計画の際に使うヤーンラップの作り方でした。少しでも参考になれば幸いです。