織り地や編み地のデザインをするとき、特に配色を考えるときには、手元にある糸で「ヤーンラップ」を作ります。大好きな作業なので、いったん始めると時間を忘れて巻き巻きしてしまいます。
ヤーンラップとは(yarn wrap ヤーンラッピングとも)ボール紙などの厚めの紙に色糸を巻きつけていき、色どうしの相性を見てみたり、プロポーションのバランスを見るためのもの。織りの経糸を張る前にヤーンラップを作ってみることで、結果的には時間や糸を節約してくれます。それでももちろん織りの場合には経糸と緯糸が交わることになるので、実際にサンプルを織ってみると「全然好きじゃない、これ!」ってこともしばしば。でもそれはそれでよしとします。たくさんサンプルを作ってみないと、いいデザインが見つからないと思うので。
基本の作り方は、厚紙の片面に両面テープを貼り、糸を巻きながら貼り付けていくというもの。ただ、糸に油がついていると(工業用の糸など)、糸がうまく両面テープの粘着面にくっついてくれません。そこで今回は私なりに考えた、粘着テープを使わないヤーンラップの作り方を紹介したいと思います(簡単すぎて、実は紹介するまでもないのかも…とも思いつつ)。
余談ですが手持ちの糸はそれぞれ一色ずつ、残糸などを割り箸に巻いてあります。色鉛筆を目の前に並べるように糸を並べ、あれこれとっかえひっかえ相性のいい色を探していきます。
それでは本題の作り方です。まず、厚紙を切って幅3~4cmの細長い短冊のようなものを作ります。
糸端を押さえながら、まずはひと巻き。ちょうど一周したところで、押さえている糸を押さえ込むようにして引き続き巻いていきます。
糸を変えるときも最初と同じ要領で巻きます。
最後は厚紙に2mmほどの切り込みを入れて、糸を挟んで出来上がり。
ポイントは、糸の巻き始めに親指で糸端を斜めに押さえ、その糸を固定するように糸を巻いていくこと。この方法なら両面テープを使わずにきれいに巻いていけます。一度にたくさん作って、経糸と緯糸のいろんな組み合わせを試してみるのもいいですね。思いがけない素敵なデザインが見つかるかもしれません。
以上、織り計画の際に使うヤーンラップの作り方でした。少しでも参考になれば幸いです。