だいぶ前になりますが、新潟の染織工房「きはだや」さんのご依頼でバンダナのデザインをさせていただきました。きはだやは新潟県十日町市にある染織工房で、私がパターンデザインの仕事を始めたての2007年、デザインフェスタに出展したのをきっかけに知り合いました。
十日町市といえば豪雪地域、美味しいお米など、いろいろあるかと思います。私は今回はじめて知ったのですが、中でも(おそらく多くの日本人が義務教育の教科書で目にしたであろう)縄文式土器・国宝「火焔型土器」は、ここ十日町市で出土したということで、十日町市博物館に展示されているんです。
今回のお仕事の内容は、十日町市でロックバンド「GRANRODEO」の凱旋ライブが行われるのに伴い、会場で販売するバンダナのデザインをお願いしたいというご依頼。そして、デザインのモチーフには先の火焔型土器を使ってほしいとのこと。
GRANRODEO(グランロデオ)とは二人組の音楽ユニットで、ボーカル担当は声優のKISHOWさん、ギター担当がe-ZUKAさん。このギターのe-ZUKAさんという方が十日町の出身ということで、今回の凱旋ライブ(2018年5月に終了)が決定したようです。
バンダナのデザインをするにあたり、リサーチをしました。
まずはGRANRODEOについて
- どんな音楽?
- アーティストの服装の傾向は?
- ファン層はどんな人たち?
次に縄文式土器の文様について
- どんな形?文様?
- 似たような土器にはどんなものがある?
そしてバンダナについて
- 日本でよく見るバンダナはどんな模様をしてる?
- ロックっぽい模様ってどんなだろ?
などなど、基本的な情報を集め、イメージに合いそうな言葉を書き留めていきました。
デザインする上でいちばん大変だったのは、土器の文様をアレンジする作業でした。ひも状の文様の形を目で追っていくと、なんだか堂々巡りしているような感じになって、どんなまとまりで捉えていけばいいのか、見れば見るほどわからなくなっていったんです。。。 締切寸前になりつつも、途中からまとめ上げてなんとか形になった1点をきはだやさんに見ていただきました。結果、一発OK…?複数案出すことでがきず申し訳ございませんでした。。。
いちおう、火焔型土器を管理する十日町市にもOKをいただいたとのこと(意匠の版権問題があるため)。完成したバンダナがこちら。
公演は大成功だったようで、バンダナもよく売れたとのことで、安心しました♪